
底辺からの出発
昨年11月~今年4月が審査期間だった26年後期適用勝率は6.78と自己ベストを大幅に更新。デビューから5年半でA1級昇格を果たし、2月には鳴門で初Vの美酒も味わった。有望な若手がしのぎを削る福岡支部で急速に存在感を増しているが、ここに至る道のりは平たんとは程遠いもの。むしろ、どん底からの出発だった。「A1なんて想像もできませんでした。(成績不振で)クビになるぞ、クビになるぞと言われ続けてきたので」
養成所の在校勝率は127期でワースト。デビューから3期連続で勝率2点を上回ることができずにB2級に甘んじた。「性格が大きかったと思います。引っ込み思案なので…。ペラを教えてくださいとか、練習に付き合ってくださいとか、なかなか頼めなかった。自分みたいな下手くそと練習してもしょうがないとかネガティブに考えていました」
師匠との出会い
殻を破るきっかけとなったのが福岡支部の大先輩である井上恵一への弟子入り。井上の娘と小学校で同級生だったという縁もあって、勇気を振り絞って志願した。「養成所に入る少し前くらいから、近くに現役選手がいると聞いていました。このままではまずい、本当にクビになるという危機感があった。最初は断られたんですが頼み込んで弟子にしてもらいました」
井上は自らが教え込むというよりは、弟子が向上心を持ち続けられるような環境づくりに心を配った。「技術というよりはメンタル中心です。恵一さんといつも一緒に走るわけではないので、他の選手にアドバイスをもらいやすいように事前に話を通してくれた。ありがたかったですね。こうなると自分も頑張らないといけない。練習量では誰にも負けないと決めて自主訓練を繰り返しました。技術的な面では、これが一番大きかったと思う。特に森照夫さんには何度も付き合って頂いています」
伸び型のペラで飛躍。さらなる進化へ
底辺から抜け出した宮脇が飛躍への糧としたのが伸び型ペラの採用。伸び仕様を駆使することで知られる田中宏樹と同じペラグループに属していたこともあり、研究と実戦投入を開始。一気に成績が上がった。「はまりましたね。自分のスタートの仕方に合っていて攻めるレースができるようになった。インに入ると遅れないSを行かないといけないけど、遅れても伸び返して1着とか」。ただ、ここからのステップアップにはこれまで以上の努力が必要となる。
「鳴門で優勝した時はピット離れ失敗。回り直してインに入った。恵一さんにも“他の選手が優しくて良かったな”と言われたくらいです。勝率もまだルーキーシリーズで稼いでいる部分が大きい。伸びだけでは当然カベにぶつかる時がくると思います。その時はターンや走り方をもっとレベルアップしないとダメでしょう。もちろん伸び型もさらに追求していきます。中辻(崇人)さんは憧れですね。一緒になったらいろいろ教えてもらいたいです」。A1ランカーとなっても大きなことは口にせず、「まずはコンスタントに優勝戦に乗りたい」と足元を固める構え。師匠の井上も「向上心の塊。まだまだ伸びる」と愛弟子を絶賛する。さらなる進化を目指す宮脇から目が離せない。