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選手クローズアップ

6期連続で守っていたA1級から降格

2017年暮れから今年の春先にかけて、川野にとっては苦しい時期が続いた。前期より大きく勝率を落とし、6期連続で守っていたA1級から降格。半年でわずか2優出(1V)に留まった。

「もともと気温の変化による上下動は小さいタイプ。調子が悪かったのは新しいエンジンへの対応に時間がかかっていたからです」

新エンジンはフライホイールと呼ばれる部品の仕様が変更。これにより、今までの調整方法が通用しなくなる選手が出てきた。川野もその荒波に飲まれたわけだ。
「今年2月くらいまで苦労してましたね。何もない足だった節もあったんです。最近になって、ようやく調整の雰囲気がつかめてきた感じかな。エンジン(の素性)なりには出せるようになってきてるんです」

2月末の児島で今年初V。5月に期が代わってからは5節で3優出とリズムを上げていた。そんな中で迎えた大一番が7月末から桐生で行われたプレミアムGⅠ・レディースチャンピオンだった。

ここからは1走もムダにできません

「それまで賞金を稼げてなかったので桐生にかけていたんですけどね…」

結果は予選落ち。序盤に大きな着を取ったことが響いた。しかし本人は手応えも得たという。

「正直エンジンの素性がもうひとつだった。それを考えれば後半は足を良くできたと思う」
現在の賞金順位は女子20位前後。厳しい状態には変わりはないが、毎年最後の最後までトップ12入りはもつれる。残る高額賞金レースは11月の芦屋GⅡレディースチャレンジカップ。そこまでに少しずつでも上積みしておきたいところだ。

「ここからは1走もムダにできません。プレッシャー?それはないですね。もちろん無理だとは思っていないし、可能性はあると信じて走ってます。でも自分にできないことをやろうとしても結果なんて出ないでしょ?他の選手どうこうじゃない。自分が今できることを一つずつやっていく。それで結果がついてくれば、それでいい。ダメなら反省して次に生かす。この繰り返しです」

暮れの大舞台を目指して川野の挑戦が続く

〝自分にできること〟の一つとして現在、川野が取り組んでいるのがスタートの改善だ。

「一言で言うとS力をつけたいってことなんですけど、単にタイミングを早くしたいとか、そういうことじゃない。〝中身〟を良くしたいんです。自分は行けるときと行けないときの差が激しい。そこをコンスタントに行けるようにするとか、常にダッシュを乗せてスタートするとか。エンジンの出てる出てないもあるけど、やっぱり気持ちの問題が大きいので」

元々道中のさばきに定評がある川野。「しぶとさには自信があります(笑い)」と自画自賛するように、旋回力は十分通用する。そこに爆発力が加われば鬼に金棒というわけだ。
「例えば優勝した節を思い出してみると、自分でも納得のいくSが行けていることが多い。Sが行けると1Mの展開も見えるし、走り方のバリエーションが一気に増える。そうなるとめちゃ楽しいですよ(笑)」

レースを楽しめるようになるために自らに課した高いハードル。これをクリアするとき、川野はボートレーサーとして大きな進化を遂げているはずだ。GⅠ初優出初優勝という離れ業をやってのけた福岡クイーンズクライマックスから3年。今年も暮れの大舞台を目指して川野の挑戦が続く。